質問者のためのガイドライン~juniversityの参加者のみなさまへ~
第三回juniversityが開催されました
お世話になっております、うっでぃです(申し訳程度の社会人アピール)。
この記事を開いていらっしゃる方はおおむねご存知のことかと思いますが、jubeatの初中級者向け大会「juniversity」が開催されました。これについては主催者のこいるさん(ツイッター:@So_le_no_id)がお詳しい(主催者なので)ので、そちらにあたってみてください。
前回第二回大会では、僕はアドバイザーという立場を担当し、参加者の質問に答えてスコアアップをサポートする役割を果たしました。
今回は事情(以前より質問のレスポンスが確実に遅くなるとか、自分自身のjubeatに集中したい割にあまり頻度を高く保てそうにないとか、そういう諸々のこと)があってアドバイザーは辞退し、代わりにアドバイザーをサポートする役に回ることになりました。いわば「アドバイザーアドバイザー」です。インベーダーインベーダーみたいで良いと思う。これ何回か言ってるけど全くウケねえ……。イマイチなのは自覚しております。
ご存知の通り(ご存じでない方に説明しますが)、アドバイザーというのは、参加者からツイッターDMで投げられた質問に対し、その参加者を担当する人が一つ一つ回答を返していくのが仕事になります。
ところが、上級者が答えあぐねるような、「この質問何を聞きたいんだろう」と思うような、そういう質問が結構投げてこられがちだったんですよね。
それで、アドバイザーアドバイザー(しばらく使います)の活動の一環として、「分かりやすい回答を返せるために、参加者が分かりやすい質問を出来るように導こう」と考えた次第です。
では、本題です。
0. アドバイザーに聞く前に
いきなりの「0章目」です。質問するためのガイドラインとか言っといていきなりこれかよという感じがなくもないですが、まぁ聞いてください。
結構悩ましいことに、「アドバイザーが代わりにGoogleで調べるだけ」みたいな質問は意外と数がありました。「この難所の譜面の配置が分かりません」なんてものが最たる例ですね。
上の例ならば、「任意の曲名 memo」でGoogle検索すればすぐに出てくるわけです。有志の方が作ってくれた素晴らしいサイトが。youtubeのハンドクラップ付き譜面動画なんかでも見られるわけですし。
まぁ「memoの読み方が分からない」という人も時々いらっしゃいますが(ランカークラスでも時々います)、そういう場合は配置の確認にmemoを使ってリズムの把握にハンドクラップ動画を使ってとかいう風に、自分の能力に合わせて運用しましょう。
それでも、「どうしてもmemoも分からないし動画でも分からない!」という場合、または「どれだけ調べても出てこない!」という場合は、その旨を伝えてアドバイザーに聞いてみてください。そこまで丁寧にやってから質問すれば、アドバイザーも嫌な顔はしないでしょう。
それから、「理由ははっきりしないけどスコアの伸びが完全に止まっちゃった。どうすればいいんだろう……」なんて時がきっと来ると思いますが、そういう時も質問する前に以下の記事を読みましょう。
woody-the-ojiya.hatenablog.com
有り体に言うと、PVを稼ぐための宣伝です。ともあれ内容は結構ご好評いただいているので、是非とも読んでください。
1. 状況を整理して前提を伝えよう
jubeatに関する質問に限らず、適切な回答を求めるにあたっては、質問する側から共有するべき「前提」があります。
色々あるかとは思いますが、まずは以下の4点を説明しておけば、とりあえず十分かなと思います。
- 何に困っているのか
- どう困っているのか
- 現在どうしているのか
- 解決のためにどうするつもりか
各項目について、順に詳細を加えていきます。
何に困っているのか
要するに「質問するに至ったきっかけ」ですね。
アドバイスを求める理由は突き詰めれば「何かに困ったから」なので、自覚があるにしろ無いにしろ困っていることがあるはずです。
jubeatについて言うなら、「(課題曲のうち)この曲のこの部分が出来ません」が主なものになりますかね。むしろそれ以外にあるのか・・・?
どう困っているのか
これは言ってしまえば、前項の「困っていること」に情報を追加してくださいという意味です。
一口に「この譜面のこの部分が出来ません」と言っても、様々な情報が不足しています。どれぐらい出来ないのか?出来ないと言っても「見えない」のか、「押せない」のか、「間に合わない」のか、「押せているのに光らない」のか?
そういった現在の進捗状況を説明してもらえると、アドバイザーも求められている回答を把握しやすくなります。
たとえば「O JIYAの「ピャールメラジャーノー」ってところが出来ません」よりは、「O JIYAの○○小節目(memoの当該部分をスクリーンショットして載せると助かります)が、頭が追い付かなくなってしまっていつもミスを5,6個出してしまいます」の方が状況が把握しやすいですよね。このように、なるべく現状の「出来なさ具合」を説明するようにしましょう。
当たり前といえば当たり前ですが、こういった「失点の原因」を分析できる能力があればあるほど上達が早いです。何となくやっているけど何となく出来ない、というのが一番良くなくて、音ゲーも上達できないうえに、出来ないままでいるから苛立ちが募ります。これは本当に良くない。
せっかくjuniversityという成長のための最高の機会に参加しているので、是非ともその能力を高める訓練として利用しましょう。
現在どうしているのか
言わずもがな、「現在どのようにプレーしているのか」「どう意識してプレーしているのか」を伝えましょう。
これを伝えると、アドバイザーが解決策を見出しやすくなります。出来ない現状をどれだけ詳しく説明したとしても、その原因はあくまでプレーそのものにあるため、どのようにプレーしているのか、本人の意識はどこに向いているのか、そのあたりを知らないと、診断を下すことが出来ないんですよね。
さっきの例でいくと、「O JIYAの○○小節目(memoの当該部分をスクリーンショットして載せると助かります)が、頭が追い付かなくなってしまっていつもミスを5,6個出してしまいます。」に加えて、「運指は一応組んでいて、14+16を左手で取るようにしています。それ以外は分業です」とか言うと良いですね。この情報があるだけで、「むやみに分業でとろうとして失敗しているわけじゃないんだな」とか、「運指そのものが適切じゃない可能性があるな」とか、より明確に課題を想定できるようになります。まぁ要するに、工数が減るんですね。
解決のためにどうするつもりか
質問をする前に、自分自身である程度答えを持っておけるといいですね、という話ですね。これはいわば独り立ちの準備みたいなものです。分からなければアドバイザーにゆだねても構いません。が、自分で考えることは諦めるべきではありませんよね。juniversity以降もjubeatを上手くなっていきたいと思うなら尚更です。
さっきの例をとれば、「14+16に左手を持っていくのが上手くいっていないので、その手前の16分を左手でとって14+16は右手で取るようにした方がいいのかもしれないと思っています」とか言えれば、アドバイザーからしても一歩先のアドバイスを返せますし、それ以外の潜在していそうな問題にも言及しやすくなるはずです。
ただ、もう一度言いますが、これについては分からなければアドバイザーにゆだねても構いません。そもそもそれが分からない人のために用意されたものが「アドバイザー」という役割ですから。ここで大事なのはあくまで自分で考えようとすることです。
補足
juniversityの場では「やれる限り(理論値を目指して)詰めましょう」というスタンスになるので必要ないのですが、本来質問する際には絶対に言うべきことがあります。それは、「目標をどこに置いているか」です。
全部光らせたいのか、とりあえず繋がるぐらい押せればいいのか、全体でSSSが取れればいいのか、99万台には乗せたいのか。その度合いによってするべきアドバイスが大きく異なるからです。
juniversityでは、おそらく断りがない限りは全て「全部光るようになるためのアドバイス」をすることになります。これが不服な場合は、自分の現状の目標をしっかりと伝えるようにしましょう。
それから、意外と大事なことなんですが、「ゴリ押し派か指押し派か(またはスライド派か)」は先に明示しておくとアドバイザーのアドバイスが的確になりやすいです。なぜなら、どのスタイルかによって運指の組み方・考え方が大きく異なるからです。
これよりもさらに手っ取り早いのは、自分自身のプレーしている様子を動画に撮って見せることです。「どのスタイルか」のみならず、なんとこれまで挙げていた4つの項目に書かれていることのほとんど、つまり、「意識していること」と「考えている解決策」以外の全てが不要になります。
まして、自分のプレーを自分で見直せるので、アドバイザーに聞く以前に何が悪いのか分析できる可能性もあります。実際、ランカーの中にも自分のプレーを撮って譜面研究を進める人もいます。はぎさんっていうんですけど。
上記のことを参考にして、アドバイザーに質問をすることそれ自体を自分の成長の糧にしていきましょう。
2. 自分の中で、何を聞きたいのかを明確にしよう
この章は、アドバイザー殺し極まりない、回答者への思慮に欠けたあるワードを撲滅するために立てています。正直言ってアドバイザーが困るのは決まってこのワードが飛んできたときと言っても過言ではありません。それは、
「どうすればいいですか?」
です。
この質問をする時、十中八九、1章で述べたような前提的な情報は一切挙げられていません。それが挙げられるのであれば、これほどまでに大雑把な質問にはならないからです。
この記事を読むからには、「どうすればいいですか?」という質問は絶対に投げてはいけない。それを肝に銘じて、何を聞きたいのかを明らかにするようにしましょう。
「何を聞きたいか」は常に、「何に困っているのか」「どう困っているのか」の中にヒントがあります。自分の悩みがどの項目に該当しているのか、考えてみてください。
- 運指について
- 判定について
- 意識について
ここでも、順に詳説を加えていきます。
運指について
「上手く押せない」という症状については、ほとんどがこの項目になるかと思います。
しかし、「運指をどうすればいいですか?」では何の進歩もないので、ここでは「運指をどうしたいのか」まで考えます。
運指について聞きたいときは概ね2つのパターンに分けられるかと思います。
それは、「具体的なワンセットの運指を教えてほしい」か「運指の組み方(意識するべきことや組むときに考えるべきこと)を教えてほしい」の2つ。
前者については、「アドバイザーがどういう運指で取っているか教えてください」とか、「アドバイザーならどのような運指を組みますか?」とか、「知っている運指でいいものがあったら教えてください」とかいった聞き方になるかと思います。
後者なら、「ここの運指を組みたいのですが、どういうことを意識すればいいですか?」とか、「現在はこういう運指なのですが、どこが悪いと思いますか?」とか、「運指を組む際に考えていることを教えてください」とかいった質問になりそうです。
いずれにしても、前提の情報があってこそ成り立つ質問なので、あくまで1章で語ったことを先に述べたうえで、以上のような質問をするようにしましょう。
判定について
「光らない」という症状のうち、特に自分側に原因がなさそうな時はこっちになります。要するに、「譜面も見えているし曲に合わせているつもりなのに、高頻度でグレてしまう」というやつですね。
このケースでは文章で質問すること自体がけっこう難しいので、該当箇所の実際のプレーを撮影して、動画で上げてもらえるのがアドバイザーとしては一番ありがたいです。
それが難しい場合は、出来る限り詳細に、光らないところと、どれくらい光らないのか、現在どう意識しているかを明確に伝えたうえで、「ここは曲に対してズレていますか?」「どうズレていますか?」という質問をするといいでしょう。
ただし、リズムの認識が間違っている場合も往々にしてあるので、質問する前に一度ハンドクラップ動画を聞いてみるようにしてみましょう。それで間違っていないことを確認してから聞く方が、おそらく伝達にあまり齟齬がなくなります。
意識について
「光らない」という症状のうち、自分のプレーに原因がありそうな時はこっちに当てはまることがほとんどですね。
運指は組めている。その通りに手は動いている。それなのに、光らせることが出来ない。あるいは、運指は組んだものの、筐体で実際にやると、手が動かなくなってしまう。こういうケースは、力みすぎているとか、譜面の見方が悪いとか、そういう言語化しにくいものに原因があることがほとんどです。
こういう時に、「意識」について質問しましょう。
意識について聞く際は、どこが光らないのか、現在の運指、どれだけ光らないのか(光らなさ具合、押せなさ具合)、どういう風に意識しているかをまず伝えましょう。意識していることが特にない場合は、何も意識していないことをしっかりと伝えましょう。そのうえで、アドバイザーがその譜面を押すときにどういうことを考えているのか、あるいは、アドバイザーからするとその運指や意識のどこが悪いのかなどを聞きましょう。
ただ、こういう質問については、担当者によって得手不得手もありますから、あくまで参考程度というか、アドバイザーの回答を至上と考えすぎないようにしましょう。固執しすぎるあまり、直感的に自分に合わないものを無理に採用する必要はありません。
以上のように、質問は出来る限り具体的に何を聞きたいのかを明確にしましょう。
どうしても自分で判断がつかない場合は、前提的な情報さえ出揃っていれば、アドバイザーが見抜いてくれるでしょう。問題なのは丸投げです。絶対に「○○が出来ません。どうすればいいですか?」という形式だけはやめましょう。やめてください。お願いします。
3. 上記以外の質問
1章の「何に困っているのか」で言った、「この曲のこの部分が出来ません」以外の質問についてです。飛んでこないとも限らない(前回は僕の担当がそういう質問を投げがちな人たちだった)ので、先回りでフォローしておくことにします。
メンタル面について
たとえば、「長い乱打で途中まで光っていると緊張してしまって大崩れしてしまう」とか、「エクセペースだといつもなんでもないところでミスしてしまう」とか、そういった精神的な弱さについての質問があります。
ランカーはエクセを出すたびにそういった自分自身の精神面と戦ってきており、経験豊富です。是非とも素直に、自分の感じていることそのままを質問してください。
ただし、この場合も出来るだけ前提的な情報はあった方がいいです。上記の例でいえば、「エクセペースだといつもなんでもないところでミスしてしまう」という質問の前に、「エクセを出した経験はどれぐらいある」とか、「エクセした中で一番難しかったのは○○だったが、その時は緊張がどうだった」とか、そういう情報があるのとないのとで答えやすさが全然違ってきます。
メンタル面と言っても、アドバイザーはカウンセラーではありませんので、「この譜面やってるとめっちゃイライラするんですけど(怒)」みたいなのを投げてくるのはやめてくださいね。ホントに。
プレースタイルについて
後学のために、という意味もあって、アドバイザーに対してどういうプレースタイルをとっているか、とかいったことを聞いてくる方がいます。たとえば「下を埋めて地力を上げる方が良いですか?」とか、「粘着はどれぐらいした方が良いですか?」とか、なんなら「筐体との距離とか立ち位置ってどういう風にしていますか?」とか、そういうやつですね。
これ、別に聞いてもいいんですが、実際のフォームを見ないとフォームの指導は出来ないのと同じで、回答した内容がその人に合っているかどうかまでは文面上では絶対に分かりません。
よって、現在のプレースタイルがどうなのかを伝えたうえで、「あくまでもアドバイザーのプレースタイルと自分のそれを比較するまで」にとどめて、完全に鵜呑みにはしないようにしましょう。試してみて上手くいくなら採用すればいいし、無理だと思ったら無理にやる必要はありません。あくまで参考程度にしましょう。
アドバイザー自身について
「LINE教えてください!」とか、「アドバイザーさんって彼女いるんですか?」とか、「アドバイザーさんのスリーサイズを教えてください!(?)」とか、「アドバイザーさんの今日のパンツの色を教えてください!(????)」そういうやつですね。
やめましょう。
絶対にやめましょう。
4. おわりに
長くなってしまいましたが、以上が「質問する際に気を付けてほしいこと」になります。
最後に参加者の皆さんに肝に銘じておいてほしいことをお話しします。
音ゲーはあくまで個人競技です。方法には正解はありません。正解があるのはノーツごとの判定だけです。
アドバイザーは上級者ではあるものの、音ゲーが持つ唯一の正解である「判定」について、どうすれば正解を得られるか常に考えながら方法を導き出し、実践してきただけです。
よって、質問する時にはいつも、「正解」を得ようとしないでください。あくまで正解はノーツにのみあり、あなた自身が見つけ出していくものです。アドバイザーは文字通りアドバイスをする人であり、アドバイザーから得られた回答は正解などではなく、「その人が知りうる最善の方法」でしかありません。
あなたはあなた自身で思考して、試行錯誤して、最善の方法を導き出していってください。juniversityという大会や、その運営陣、アドバイザーたちは、その手助けを力いっぱいします。
皆様の上達を、成長を、心より楽しみにしております!
第三回juniversity、頑張りましょう!